どうも濱田です。
AIITの上田先生・・・というかシェル芸おじさんと一緒に去年やろうやろうと言っていた「明るいデスマーチ研究会(通称: デス研)」を4月17日にようやく開始しました。すでにこちらにレポートが上がっているのですが、第1回目をやってみた感想などをつらつらと。最初の会合では、上田さん、私のほかに、いわゆるSIの現場で活躍されている方、WEB系な方、コンサルタントが集まり、ケーススタディに事欠かないくらいでした。。。
■ なぜデス研を始めたか
いつものように、USP友の会では勉強会後の懇親会や定例会(という飲み会)で、あんなことやろうこんなことやろうと盛り上がります。その中の1つとして挙がったのがデス研なのですが、過去いろんな方がデスマーチの発生メカニズムや戦場での振る舞い方を研究されていたりしているはずなのに、なぜIT業界(の一部?かなりの割合?)からデスマーチが無くならないのか、疑問に思っていると同時に、根本的な打開策を誰も打ち出せていないことに歯がゆさを禁じえません。
個人の事例は、ケーススタディとして有用ですが、あまりにも事例が多いのと個人の恨みつらみで終わらせちゃうのは、どう頑張ったところで主観と主観の対立しか生まれず、本気で解決するんだったら裁判するしかないです。なので、デス研のやり方としては、デスマーチについての定量的な議論を行うことで、客観的な指標を掲げることができればいいなー、という期待を込めています。
■ デスマ体質
周囲に聞いてみたところ、10年以上IT戦士として戦っているにもかかわらず、デスマーチ経験がないという方がそれなりにいて、デスマ体質な私としては羨ましいのですが、いざデス研で集まったときに話を聞いてみたら、「あなたのそれ、デスマですよ」ということも。もちろん、デスマ経験がないとおっしゃられた方も、リリース前などの短期間において高稼働を強いられたりする「局地戦」的な経験はされていることもありましたので、彼らが必ずしも楽しかしていない、というわけではないことも申し添えておきます。
逆に、私のようにエンジニア人生の半数以上がデスマ案件か、プロジェクト期間中に炎上する割合が多かったりすると、自分はデスマ体質なんだと思うことで、いわゆる「そういう星の元に生まれてきたのだから己の出自や人となりを呪うしかない」という呪縛に囚われることも1度や2度じゃありません。
ダメンズとばかり付き合ってしまう女性のように、明確な意思を持っているわけでもないのに暗に不幸な境遇に自らを追いやってしまう○○体質と勝手に思うことで折り合いをつけようとするのも、諸悪の根源を断つことにはつながらないでしょう。
■ デスマはSI案件だけでおきているわけではない
私はいわゆるSIerのn次請けで現場にアサインされることが多く、自らの炎上経験だったり、Twitterや2chなどで見聞きするデスマの事例なんかも、割と自分と似た境遇の人が多かったりします。いわゆる「WEB系」「自社サービス」でのデスマ経験を生で聞けたのは貴重でした。
あくまでブレストしていた中で出てきたケースだったので、現時点で発生メカニズムなどの深堀りはこれからなのですが、SI案件のように(建前だけでも)計画的にプロジェクトを推進しようとして、でも結果見積が甘かったです→炎上というパターンではなく「じゃあ明日からこっちの地獄に飛び込んでもらおうか」的なことが平気でおこるようなことが日常茶飯事だったそうで、これは腕に覚えがある人だって潰れますわ・・・と戦慄してました。
■ デス研でやりたいこと
第1回目からデスマーチ事例に事欠かないくらいなので、ある程度まとめて分析して情報発信・・・というのは一筋縄ではいかないことがわかりました。ですので、ブログか何かでこまめに情報発信していく予定です。
こうした研究を複数人で集まって議論するときは、議論の発散と収束のメリハリをつけなければならないのですが、本当に事例が多すぎて、次回のデス研でさらに議論の方向性をディスカッションし、ブログでの情報発信と並行して、どこかのタイミングで講演会をやれるといいなー・・・と考えています。
もし、ご自身の経験を語り継ぎたい(ただし折り合いをつけている)という方のご参加、戦死者や戦病没者をこれ以上出したくないという方のご参加、大歓迎です。なお、参加者のプライバシーは最大限尊重いたします。
上田さーん、ぼくもやっぱりまとめ切れなかった・・・。゚(゚´ω`゚)゚。ピー
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