DNSをはじめよう ~基礎からトラブルシューティングまで~ 読書感想文
みなさんこんにちは。「DNSをはじめよう ~基礎からトラブルシューティングまで~」をいただいたので早速読んでみました。この本は @mochikoAsTech さんが技術書典4で頒布されていたのですけれども、「え?これ書店に並んでもおかしくないんじゃね?」というくらいしっかりした作りです。いきなり横道に逸れて申し訳ないのですが、サークル名「好きなコマンドはdigです」に大笑いしてしまいました。何のこっちゃと思われた方も、きっと一冊読み終えると「わかるわー、俺もdig好き」って言うようになるでしょう。
さて、この本はどんな方におすすめかと言いますと、現役サーバーエンジニアは勿論のこと、サービス企画のディレクターさんにも是非読んでいただきたいと思っています。表紙にも書いてあるのですが、こんな課題をお持ちの方におすすめです。
- DNS浸透問題のモヤモヤをすっきり解決
- トラブルシューティング!困った時の調べ方は?
- nslookupはもう卒業!digの便利な使い方
- ドメイン自動更新の落とし穴によるサイト全停止の防ぎ方
- 実際に手を動かして試してみよう! AWSのRoute53
- IT系にいるけどインフラに苦手意識のあるあなたに
- これからシステムを学ぶ新人にも最適な入門書
で、読んでみてどんな方におすすめか、というか「読後にこうなる」という私なりの解釈を書きますと
- サービスを終わらせることができる[ref]サービスを終わらせることの重要性を理解している人はセンスあります。そのヒントが本書にも書かれています。[/ref]
- 地雷原たっぷりのサーバー移転で触雷率が減る[ref]私もいっぱい地雷踏み抜きました。[/ref]
- 既存サイト運用を自社へ移管する際、顧客へのヒアリング項目を(あなたが思っているよりも)半分以下に減らすことができる[ref]エンジニアたるもの「調べればわかること」を顧客に聞くのはナンセンスです。[/ref]
といったところでしょうか。勿論、digやwhoisコマンドの使い方、Route53の設定方法も本書で理解できるとは思うのですが、これはサービス開始や運用のオペレーションを一人称でできるようになるという目的のための手段です。こうした効果を踏まえると、ベテランのエンジニアよりも初学者またはディレクターさんにこそ読んで欲しい1冊ですが、エンジニアから上司または顧客へ「なぜこの作業をしなければならないのか」を説明するのにも有用です。
もし続編があるなら「BINDなどでDNSサーバーの原理原則を学んだ上でRoute53を利用すると、AliasレコードとCNAMEの使い分けが更に理解できるぞー」とか「コンテンツサーバーとキャッシュサーバー、混ぜるなきけん」にも踏み込んでいただけると面白そうですね。
[amazonjs asin=”4873113903″ locale=”JP” title=”DNS & BIND 第5版”]